若者代表と一問一答。岡本さんてどんな人?

台風一過の強風残る青空の下、平和記念公園の一角でインタビューは始まりました。
まずは自己紹介。
奥田さん(以下、奥):奥田麻緒と申します。生まれも育ちも東京です。平和や、エコ、スローフードなどに興味を持っています。今日はよろしくお願いします。
岡本(以下、岡):栃木県出身の岡本三夫です。妻も、荒川生まれで江戸っ子なんです(笑)。でも、1968年二人の新婚旅行で初めて広島に来たときから、ヒロシマは私の原点になりました。(「ヒロシマと私」参照)

どうして決断を?
奥:早速ですが、なぜ、国政へ出ることを決断したのですか?
岡:今、日本の平和憲法、憲法第9条が危機に瀕しています。とにかく、なんとしても憲法9条を守りたいという思いで、決意を固めました。
奥:昨年の衆院選で、民主党がマニュフェスト選挙・二大政党制を訴えて盛り上がりました。半年以上たって、自民党と民主党の違いがあまり見えません。私たちはどう政治に参加したらいいですか?また、岡本さんはその中で何ができるとお考えですか?
岡:確かに、議員一人で、できることは小さいかも知れません。しかし、同じ考えの人は必ずいます。それは保守だとか革新だとか、政党にかかわらず、護憲の思いは共通です。そのような人たちと一緒に横のつながりで連帯していきたいですね。
改憲の勢力はダムのように巨大かもしれませんが、確信を持って団結した集団によって、そのダムにまず小さな風穴を作って、それを元にして大きなうねりを作っていきたいですね。最初の数は少なくても、決して無力ではないと思います。
アメリカのような二大政党制だと、政権が交代してもあまり政策が変わりません。そのような状況では、有権者がより無気力を感じてしまいます。「投票しても変わらない」、「どうせ政府は勝手に決定するし、国会は何でも数で決まる」、そう有権者に思わせてはいけません。

奥:なぜ、今の安定した生活があるのに、立候補しようと思ったのですか?
岡:私もひょっとすると、今頃は退職して孫の頭を撫でている世代かもしれません。
今の50歳、60歳、70歳の人たちは、戦後の日本の復興を支えてきた世代です。この人たちは、マイナス20歳くらいでちょうどいい感じなんです。60歳だったら40歳、70歳だったら50歳。だから、自分の気持ちとしては、野球で言うとまだまだ7回くらいです。5対3で7回、あと2イニングで1点ずつ取って、延長戦まで持ち込むぞ!って感じですかね。
今は、多くの大学で平和学や関連講座が開設されています。でも、体系的な平和学部などはまだありません。イギリスのブラッドフォード大学やアメリカのプリンストン大学にはあるんですよ。今まで平和学に従事してきて、日本にこの平和学部を設置するのが私の人生の総まとめです。そのためにも、国会で平和憲法堅持を訴えて、平和学部設置に貢献したいですね。
奥:ちょっと意地悪な質問ですが、当選された途端どこかの政党に入るなんて事はありませんか?
岡:当選は応援して下さる皆さんに後押ししてもらった結果ですから、それを裏切るような事はしません。政治家としてヒロシマの声を国会に届ける為にどうしても必要であれば、同じ意志や目標を持った政党に入る事もあるかも知れませんが。・・・自民党には入りませんよ(笑)
奥:(笑)

自衛隊派遣、イラク情勢について
奥:最近、自衛隊の多国籍軍参加が決定されたことについて、またイラク情勢についてどう思いますか?
岡:自衛隊のイラクへの派兵は、憲法違反です。アメリカのイラク戦争も正しいといえません。
そもそものアメリカのイラク攻撃の理由は、大量破壊兵器の保有でした。今では本当にイラクに核兵器があったのかわかりません。アメリカの査察チームの人たちは、アメリカ政府の報告がウソだと主張しています。実際のところ、もっとも多くの大量破壊兵器を保有しているのはアメリカです。ヒロシマの心を踏みにじっていますよね。
それから、アメリカはイラクに民主主義をもたらすためだと言っていますが、イラクは曲がりなりにも大統領制です。イラクの周りの国は、ほとんどが王制などです。民主主義のためであれば、なにもイラクを最初に狙う理由はありません。
奥:私は先日、イラクで人質になった安田純平さんの講演を聞きました。「丸腰だから助かった」という言葉が一番印象的でした。
岡:私もその講演を聞きました。「丸腰だから助かった」ということは、日本の戦争放棄・平和憲法と共通しています。
ドイツなど徴兵制の国では、良心的兵役拒否という制度があります。信条に基づいて兵役に就けない人には、代替の役務として兵役よりも若干長い期間の公的な仕事が用意されています。図書館の司書や施設や役所での勤務などです。高くはないですが、軍隊と同様にちゃんとお給料ももらえます。
日本は、国際的な良心的兵役拒否の国だと思います。戦争はしない、ただし戦乱や貧困などで苦しむ人々に武器を持たず支援を行う。日本の平和憲法は、一部の人が非難するような一国平和主義ではありません。武器を持たない人道復興支援、平和主義による国際貢献こそ、日本の役務なんです。

日本とアメリカの関係について
奥:小泉さんは、アメリカでなんでも約束してきてしまいますよね。現在の日米関係についてはどう思われますか?
岡:実際には、現在のアメリカ経済は日本が支えているようなものです。日本は積極的にアメリカの国債を買い取って、アメリカの景気を後押ししています。だから、「アメリカがこう言ったから絶対に従わないといけない」なんて、日本人の思い込みなんです。
戦後、進駐軍が来たとき、アメリカ軍は天皇や国会の上に存在していました。アメリカの言うことは、なんでも従わなきゃいけない。そんな被支配的メンタリティーがありましたが、今でも多くの日本人がそれを引きずっているようです。だいたい、日本に来るアメリカの高官といえば、白人の印象があると思います。日本人は、白人のいうことは聞くけれど、アジア人やアフリカ系の人々のいうことには、耳を傾けようとしません。私も日本を出るとき、そんな被支配的メンタリティーを持っていましたが、8年間のアメリカ・ドイツの生活を通じて、克服していくことができました。
実際、アメリカ人の半分は白人ではありません。アフリカ系アメリカ人、アジア人、ヒスパニック、多くの人種や民族が、混在しています。ブッシュ政権は、パウエルやライスを登用して、人種に寛容なイメージを装っていますが、実際は違います。日本は、アメリカに対して実際に大きな影響力を持っているんだから、被支配的メンタリティーを捨てて、対等な関係を築かなければいけません。
奥:・・・話は逸れますが、奥様は恐いですか?
岡:恐い?(笑)いや、恐くないですよ。でも私達夫婦は他のご家庭とはちょっと違うかも知れません。
我が家には「主人」という観念がないんです。お互い対等な関係ですので、私は”主人”ではないんです。ですから、電話で「ご主人はいらっしゃいますか?」と言われて二人とも「いえ、うちには主人はいません」と答えるもので、電話の相手は困惑しますが(笑)。

ヒロシマの今後
奥:最近、広島への観光客が減少していると聞きます。修学旅行も減っているみたいです。なんとなく、平和公園〜宮島って、ルートがマンネリになってしまっているのでは?
岡:平和というコンセプトは間違っていません。ただ、もっと工夫が必要ですね。
たとえば、オーストリアのウィーンでは、観光用にフリーパスの制度が充実しています。ある一定の圏内で、1日、2日、1週間有効なパスがあって、それがあれば、どこでも何度でも自由に乗り降りできます。このパスはすべての交通機関で有効です。ウィーンに観光に来た人はみんな、まずこのパスを買うんです。今の広島だと、広電・アストラム・バスのカードは共通ですが、JRは別ですし、何度でも乗り降り自由というわけではないですよね。長期間のパスもありませんし。
そういう制度が整えば、広島をもっとアピールできます。財政的にも、1週間分を買って、結局2日で帰ってしまう人などもいて、採算は充分取れるそうです。あと、被爆者の絵を街に残すという運動もあります。現在は4つしかできていませんが、最終的には、8月6日にちなんで86枚の絵を街中に碑として建てたいです。そういう、新しいヒロシマのモニュメントを増やしていくことも、被爆の記憶を残すことと、訪問する人々を増やすことに役立ちます。そういう工夫をすれば、広島を訪れる人は増えると思います。
若い世代に向けてのメッセージ
奥:若者へ向けてのメッセージはありますか?
岡:岡本に入れろとは言いませんが、とにかく投票に行ってほしい。誰に入れるかわからなくても、とりあえず投票所に行って、ポスターを見比べて、「岡本は美男子だから入れよう」とか思ってくれればいいんです(笑)。あるいは、「岡本は顔が気に入らんから、入れない」とか。
奥:(^◇^;)(笑)
岡:入れたい人がいないのであれば、白票で投票箱に入れてもらって結構です。とにかく、投票所に行って、投票に参加することで、政治への関心を持ってほしい。「どうせ投票に行っても、結果が変わらないから」と言って、家で寝てないでほしい。もしも、投票率が70%になれば、当然、選挙結果は変わります。無関心にならずに、投票に行って、もっと積極的に政治に参加してほしいですね。

奥:今日はありがとうございました。
岡:若い人に質問されて、嬉しかったです。ありがとう。


